市民ランナーの足の痛みは、歩幅を広げればなおる! 『要は 足首から下』の書評+ α
こんにちは。
ひだるいさいです。
金沢マラソンを走った !
念願の金沢マラソン、抽選を突破し、ついに参加できました!
走った!!
感動した!!
そして。。
足首、 痛めてしまった。。。
あ~あ、とうとうやってしまいました。
はじめてのケガ
フルマラソン参加はこれが六回目。
過去五回のレースはさほどからだを痛めることもなく、翌週末にはまた走り出していたんですが、今回はいけませんでした。
しばらく走ることをひかえているのですが、たまにジムのトレッドミルでウォーキングしたりすると、じわ~んと違和感を感じてしまいます。
ありゃー、これもう治らないのかな。とおちこんでいました。
あることで、違和感が消えた
それが「あること」を実行したとたん、違和感が和らぎ、10キロ走っても足首が熱くなることはなくなってきました。
やった、これで次のレースにも出場できる!
ヒントをくれた本、そして瞬殺の改善方法
そのきっかけを与えてくれたのはこの本
そして、試してみたこととは
Before:体の中心線上に足あとがつく走りかた
After: それぞれの肩の下に足あとがつく走りかた
これだけ?
これだけです!
なんでそうなるの?と思われた方、ご自身でも試してみてください。
①歩幅を肩幅くらいにして、部屋の隅から隅へまっすぐ歩く。
②平均台の上を歩くように、一直線上を歩いてみる。
いかがでしょう?
はっきりと口にはしづらくとも、なにかちがう感覚をおぼえませんか?
本編:この本の紹介
もっと足のことを知ってあげよう
この本が取り上げている足というのは足首から下の部分のこと。
腰から膝、膝から足首をさす脚とは分けて考えます。
足がもっている、二つの役割
歩いたり走ったりするとき、この足はどんなはたらきをしているでしょうか。
①着地の瞬間、体にかかる衝撃を受け止めてくれます。
②次の一歩に踏み出す際、身体を前に押し出してくれます。
足がしっかりとクッションの役目を果たしてくれているおかげで、私たちの腰から上は、自分の体重の3~4倍にもなるという歩行時の衝撃を感じないでいられるのです。
また、その一瞬後には体を前に推進させています。
この二つの大事な仕事を、足は黙って、毎日何千回も行っているのですね。
からだ全体から見ると、足はさほど大きなパーツではありません。
なぜそんな小さな足が、体全体をまもったり、進めたりできるのでしょうか?
足は芸術品
「足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である」
と表現した方がおられます。
この方ですね。
ルネサンス期の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ
精密機械並みのパーツ数
“フットサロン パザパ”さんのHPを引用させていただきます。
さて、いきなりですが問題です。
わたしたちの身体、全身には何個の骨があるでしょうか??
正解は…大人の骨は全身で基本的に206個。
では本題、足(くるぶしから下)の骨は何個あるでしょうか??www.footsalon-pasapas.jp
↑↑いつもお店で活躍している足の骨模型です☆
正解は…片足26個(種子骨をいれると28個)
本に書いてあるのですが実際に数えてみましたが、やはり26!(当たり前か)
指の骨が14個、中足骨が5個、踵部分に7個=26
これに「種子骨」という親指の付け根の裏にある小さな骨2個を加えると片足28個となります。両足で52個(56個)となるわけですから、
全身の骨の約1/4が足に集中していることがわかりますね。
アーチが、衝撃を吸収する
「全身の1/4の個数」の骨がくみあわさって、からだを守るアーチを作っています。
この図は、下にリンクさせていただいた中野大輔さんのHPからの引用です。
制御系(神経系)もすごい。
骨だけじゃなく、張り巡らされている神経網もハンパないのです。
本書の記述を引用します
感覚が優れている順番でいうと、指先や唇など、なるほどと思える部位が1,2番を占めていますが、なんと3番は「足」 なのです。
(略)
よく考えれば、足は感覚が鋭くあってほしい部位でもあります。「立っている」という体性感覚を一手に担っているわけですから。
『要は足首から下』P211
一見鈍感な雰囲気をかもしだしている足ですが、多くの部品が複雑に組み合わさり、その動きを感知するために多くの感覚点が配置されているのです。
ここまでのまとめ
われわれの足は、走ることで発生する衝撃を吸収、さらに前進する推進力にかえるという難しい役割を果たしている。そのために複雑な機構と、それをコントロールする神経系が備わっている。
では、われわれのその精密機械は、何が原因で障害を起こすのでしょうか。
過回内(オーバープロネーション)が、繊細な足を壊してしまう。
ランナー向けのウェブマガジン「ランナーズNEXT」から引用します
特にランナーの中で注目されているトピックは足部の「オーバープロネーション」。
日本語(専門用語)で言うと「過回内」です。
(略)
極端にプロネーションが大きく出てしまっている状態のことをオーバープロネーションと言っていますが、厳密な定義はありません。
(略)
※足部のオーバープロネーションのイメージ
そもそも、ランニング中のオーバープロネーションとは、ランニングの着地の際に足部が上の写真のように大きく回内(プロネーション)してしまうことを言います。
分かりやすく言うと、着地の際に足のアーチが潰れてしまうような状態ですね。
元の記事はこちら
体に悪い走り方をすることで、プロネーションが変わり、足の繊細なアーチが崩れ、それが障害のもとになってしまうのです。
走行中、足のどこに荷重がかかるかによってプロネーションがかわってきます。
1.かかと→足の外側→母指球(親指の付け根)に抜ければ正常です
2.かかと→土踏まず→中指の付け根 に抜けてしまうと過回内になります
過回内になる走り方とは?
ヒントはこれ
走るときに、足跡が一直線上に並ぶような走り方をしていると、過剰回内になるリスクがぐっと増えるのだそうです。
人間の骨格は歩くためにできています。
つまり人の足や脚は足幅を肩幅に保って歩行、走行するようにできています。
なので足が常に重心線上に来るような足の運び方は合理的でないだけではなく、足首、ひざ、すねに負担がかかってしまうのです。
なぜ、重心点を意識した走り方をするのか?
(ここからは私の推測です)
身体の重心は頭頂部の下に来ます。
だから、足を重心点の近くにおくように走ったほうがおさまりがよさそう。
また、雑誌や新聞に掲載されているランナーの写真も、足が重心の下に来ているようなアングルでとられているものが多いように思われます。
そのほうが美しく見えますからね。
しかし重心の下に足を置く走り方にはまったく合理性がありません。
その場で体が安定してしまい、前進のために余分な力が必要になります。
肩幅くらいの歩幅で走ることで常に不安定な状態を保ち、前に前に重心が流れるようにした方が合理的です。
試してみると、最初は違和感を感じるものの、すぐに慣れてきます。
そのほうが実は合理的ですからね。
ここまでのまとめ
お分かりいただけたでしょうか?
私が足首を痛めてしまったのは、いつの間にか歩幅を狭くして走っていたから。
また、休んでいても歩くたびに違和感を感じていたのは、その歩き方もまた歩幅が狭くなっていたからなのです。
慣れているから大丈夫、ではなく惰性に流れてフォームが乱れていたのですね。
反省です。
ここで注意!!正しい対策は、個別に検討しましょう。
ここまで読みすすめて「そうか、自分も走り方を変えれば、すぐに痛みとサヨナラできるのか!」と思われている方もおられるかもしれません。
ちょっとお待ちください。
先にリンクを張った「ランナーズNEXT」にもあるのですが、単に走る際に意識してフォームを直すだけだと、他の部分に負担がかかり、思わぬ障害を招くリスクもあるのです。
1インソールなどで矯正する
2ふくらはぎを鍛えたり、足指をストレッチすることでフォームを改善する
3走る際に意識してフォームを直す
この三点を並行して行うことで、副作用が起こるリスクを最小限に抑えながらフォームの改造ができるようになるのだそうです。
せっかくの工夫が裏目に出ないよう、慎重に試してみてくださいね。
本当にこの話、自分にとっては目からウロコでした。
このブログが、足の痛みに悩むランナーの方の助けになればうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
改めて本書を紹介します。購入される際はぜひこちらから m(_ _)m